2016年6月19日日曜日

アルカーボン(アルミ+カーボン)ディープリムの選択肢を検討してみる

先日の鈴鹿8時間エンデューロにて、一緒に参加した6名のうち4名がディープリムを装備していました。気がつけば自分の仲間うちでも過半数がディープリムホイール。

同じくらいの脚力の仲間が持っていると「あれ、ディープもありかも!?」と思えてくるから不思議なもんですね。

「せっかくホイール買うなら性格の違うヤツにしてみれば? 同じ性格の上位を買うとそれしか乗らなくなるだろうし」とのアドバイスをもらって、確かにその通りだと思うところもありました。

BORAなどのフルカーボンホイールは無理でも、アルミ+カーボンのホイールなら射程に入るのかもしれない。今回はそのあたりのホイールを調べてみました。
これまでの記事はこちら:


アルカーボンホイールって?


「アルミ+カーボン」が素材に使われているホイール、という意味の言葉のようですが、あまり明確な定義があるわけでもなさそうです。一見フルカーボンに見えても内側にアルミの補強が入っている場合もありますし、いま持っているRS80も「アルミリムの補強をカーボンラミネート」ということなので素材としては「アルミ+カーボン」ということに。

今回は「比較的安価にディープリムにならないかな?」という趣旨なので、下記の3点にあうものを調べてみました。
  • リムハイト40mm以上
  • ブレーキ面がアルミ(普通のシューで乗れるもの)
  • クリンチャー


マビック(Mavic)のアルカーボンホイール


コスミックプロカーボン (Cosmic Pro Carbon)

リム高:フロント52mm、リア52mm
リム幅:622x13C
重量:1,695g
価格:189,000円(税込)
Mavic Cosmic Pro Carbone


仲間のうち一人が履いていたのがコレ。2015年はコスミックカーボンSLSと呼ばれていたモデルの切り替えタイミングで安く買えたそうです。名前は変わっても仕様は2015年と同じだそうで、お店でも「変わるのはシールだけだよ」とのこと。うん、こういうタイミングを狙っていきたい。

ローハイトのホイールと比べるとさすがに重量はありますが、実際に少し借りて乗ってみると漕ぎ出しに少し重く感じるくらい。乗っている時間と漕ぎ出しの時間を考えたら「これは全然アリだな」と思いました。


カンパニョーロ(Campagnolo)のアルカーボンホイール


バレットウルトラ BULLET ULTRA 50 CULT shimano

リム高:フロント50m、リア50mm
リム幅:622x15C
重量:1,629g (シマノハブ、TechSpecより)
価格:238,680円(税込)
 Campagnolo Bullet Ultra 50mm

バレットウルトラのデビューは2011年。こちらは当時からステッカーすら変わっていないように見えます。

ハブのベアリングに3種類のオプションがあり、「CULT」「USB」「スチール」となっています。オプションってことはオーダー時に選べるってことなのかな?

BULLET 50 shimano

リム高:フロント50m、リア50mm
リム幅:622x15C
重量:1,794g (シマノハブ、TechSpecより)
価格:162,000円(税込)

さらに「ウルトラ」なしのただの「バレット」という下位モデルが存在します。こちらはハブの構造自体が違ってベアリングもスチールのみ。165gプラスで、差額が税込7万6千円。


フルクラム(Fulcrum)のアルカーボンホイール


カンパにあるものはフルクラムにもある、ということで「バレットウルトラ / バレット」にあたるモデルが「RED WIND XLR / RED WIND」。RED WIND XLR は CULT仕様のみのようです。おそらくシャマルとレーゼロの関係に近いと思うので省略。


ジップ (ZIPP)のアルカーボンホイール


60 Clincher

リム高:58mm
重量:1,820g
価格:213,840円(税込)
 ZIPP 60 Clincher

カーボンホイールのイメージが強いZIPP。アルミリム+カーボンディープのモデルもあるようです。他にはリム高30mmのアルミモデルもありました。カーボンだけじゃないんですね。

58mmのリムはさすがの迫力。カーボン表面に空力目的のディンプル加工があるのは上位モデルと共通です。

重さはかなりのものだけど、この価格帯で「ZIPP」のロゴを履けるのは魅力かもです。


シマノ(Shimano)のアルカーボンホイール


デュラエース(DURA ACE) WH-9000 C50-CL

リム高:50mm
リム幅:622x17C
重量:1,672g
価格:240,053円(税込)
デュラエース(DURA ACE) WH-9000 C50-CL

アルミ+カーボン+ディープというくくりだとこのモデルも候補ということになります。一度「この価格帯はムリだわー」と思ったものがいつの間にか再候補にあがってくるのがホイール沼の恐ろしいところ。

2年前にはこのホイールに税込17.6万円の値札がついていたんだから、それはすごいコストパフォーマンスだったんですね。

WH-RS81-C50-CL

リム高:50mm
リム幅:622x17C
重量:1,908g
価格:129,909円(税込)
WH-RS81-C50-CL

今はRS81に50mmのモデルがでてるんですね。冷静に予算を考えるとこのあたりになるのですが、さすがに今のRS80-C24から400gアップというのは重すぎる気がします。

せめてC35(1,631g)かな。いや、そもそもRS80→RS81という選択は面白み皆無じゃないか、C35ならデュラエースという手も・・・・などなど。ズブズブとホイール検討の底なし沼にハマりつつあります。



2016年6月10日金曜日

TOJ京都ステージを観戦。いろいろ驚きました!

鈴鹿8時間エンデューロの翌日はツーアオブジャパン京都ステージを観戦してきました。

TOJ京都2016 窪木選手のスプリント

月曜日開催のレースなんだけど、8耐の翌日ということで休みを入れていたのでちょうどタイミングがよかったです。毎年このパターンにすれば、鈴鹿8耐→TOJ京都に行く人が増えるかも。

コースが面白そうなんです


もともと栗村さんのブログで運営側の苦労話などを読んでいたのと、三船さんのツイートなどで気になっていて


京都コース発表直後に実際に走ってみたりしてました。普通に走っても狭くてトリッキーで「ホントにここでレースするの!? 」と驚くようなコース。打田のあたりとか、京奈和の側道とか、軽トラ一台がやっとですよねぇ。

目の前をトッププロが


当日は降りそうな予報だったのでクルマでピックアップしてもらい、精華町の知人宅に停めさせていただく。自転車がないと観戦ポイントも狭い範囲になっちゃうけど、この天気なら仕方ない。

ロードレースを生で観るのは2013年のジャパンカップ以来2度目です。さすがに宇都宮ほどの人出ではないけど、現地に近づくと自走の人も増えてきました。


まずは東畑の上りヘアピンで観戦。スタート前はこのくらいの人出でしたが、2周目以降、ぐっと人数が増えてました。


コーナーのイン側に陣取ると、選手がほんとうに目と鼻の先を通過します。

TOJ京都2016 新城選手
新城選手や

TOJ京都2016 土井選手
土井選手が目の前を

全部で6周の周回コースなので、場所を移動しながら約25分ごとに選手が通過するところで応援しつつ観戦です。

迫るプロトン

TOJ京都ステージ2016 新城選手

動画ライブやラジオ放送も


現地ではよくわからなかったんですが、動画のライブ配信やラジオの実況もあったみたい。現場でレースを観ながら実況も聞けるという環境だったそうで、ちゃんと調べておけばよかったなー。

動画配信はテレビ局とかじゃなくて、くりらじの人たちが頑張っておられたみたい。アーカイブもここで観れる。ここまでできるんだなぁ、しかも全ステージとか。ほんとすごい。

初開催の京都ステージ、大成功だったのでは!?


ラスト2周はけいはんなプラザ前に移動してゴール前で観戦。
プロの本気スプリントは迫力あったなぁ。


そして、ゴールした選手は歩道を通って戻っていくんですね。土井選手や新城選手も普通に観客の間を通ってました。

TOJ2016京都ステージ レース後の新城選手

海外選手は観客とハイタッチしながら戻っていったり、全体的に和やかな雰囲気。

表彰式でMCの人が「東京ステージより人が多いかも」と言ってましたが、ほんと月曜日とは思えないほど人が多かったです。

TOJ京都ステージ表彰式

来年は鈴鹿には出ないだろうから、TOJのためだけに休みを取れるかわからないけど、とりあえずほとぼりが冷めたらもう一度コースを走ってみようと思います。



2016年6月6日月曜日

7年ぶりの鈴鹿8時間エンデューロで少しだけ成長を実感するの巻

「久しぶりに鈴鹿走るのもいいかも」と自転車仲間と話があいまして、今年(2016年)の春はヒルクライムはお休みして鈴鹿8時間エンデューロに参加してきました。

鈴鹿8時間エンデューロ2016

最後に鈴鹿8耐に出たのは2009年。参加賞だったシューズバッグは今も愛用しております。

鈴鹿8時間エンデューロ2009年の参加賞

思えば2005年、友人からこのイベントに誘われたのがロードを買ったきっかけでした。そこから5年続けて参加。

当時は年間の走行距離が1,000km くらいで、周りを走る人たちに全然ついていけませんでした。確か1周をだいたい11-12分台。10分台が出たら「すげー!」とか言ってた気がします。

それから7年、走行距離も増えてフレームもホイールも変わった今ならどんなもんか、3名x2チームの6名で参加です。

エントリーはパドックパス争奪戦から


久しぶりとはいえ都合6回目になるので、エントリーは慣れたものです。
エントリー開始と同時に申し込んでパドックパーキングパスをゲット。先着500名分が20分もせずになくなってました。


当日は草津PAにAM4:00集合なので2時起きです。眠い。

鈴鹿のパドックで自転車を降ろしたのが5:30ごろ。場所取りは諦めていたのでのんびり準備してたんですが、意外とピットにまだスペースがありました。

以前はもっと場所取りに必死な集団が多かった気がします。ピット裏のテントスペースができたのが大きいのかな。


鈴鹿8耐今昔


他にも以前と変わった印象として

ママチャリやクロスの人が減った?

前はもっと地元の中学生とかいたような。ロードの人気が上がった分ロードの割合が増えたのかな。エントリー費もそこそこいきますし。

痛ジャージ、痛ホイールが増えた

7年前は異彩を放ってたんで注目を集めてましたが、今は普通になりましたね。そしてみなさん速い! 瞳が赤い(カラーコンタクト?)女性もいましたが、あれはコスプレだったのかな。

8時間の参加者が増えた?

4時間エンデューロが終わったお昼以降はぐっと人が減っていた印象がありましたが、今は8時間の参加者の方がだいぶ多いみたい。自転車で8時から16時まで走ろうという変態さんの母数が増えたんでしょうか。

鈴鹿8時間エンデューロ2016

少しだけ成長を実感


そして久しぶりのサーキット走行はかなり楽しかったです!

以前は乗れなかった速度のトレインに乗れるようになり、ラップタイムも9分台で何周かできたり。一人じゃ無理めな集団に周りの人と協力して追いつくとか、レベルは低いながらもサーキットならではの楽しさがありました。

いつもは早々に脚が終わってしまい、終盤にはホームストレートをインナーローで上っていたのが、終始アウターだけで走れたのも進歩でした。

結果は550チーム中ぎりぎり200位を切るくらいだったけど、練習しないサンデーライダーならこのへんでしょう。それなりの成長を確認できてよかったです。

また数年後、今度も成長して帰ってこられるかなー

鈴鹿8時間エンデューロ2016












2016年6月4日土曜日

Reynolds、EASTON、Vittoria、Visionのアルミクリンチャーホイールを調べてみた

ホイール欲しい病に伴うアルミクリンチャーホイール調べの続きです。これまでの話はこちら。

今回は定番メーカー以外で気になった、3つのメーカーです。6/19 レイノルズを追記して4メーカーに。

レイノルズ (Reynolds)


STRATUS PRO
リム高:28mm
リム幅:17mm
重量:1,445g
価格:113,400円(税込)
 Reynolds Stratus Pro

軽量のカーボンリムメーカーという印象のあるレイノルズ。アルミのモデルがあるとは知りませんでした。

前後とも28mmのリムハイト+17mmのワイドリムでこの重量は、レーシングゼロやシャマルに近いスペックだと思います。

ネットにインプレ記事もほとんど見つからないんですが、こちらの記事によるとハブはけっこうな爆音系のようです。


イーストン (EASTON)


ステムやハンドルのメーカーという印象のある EASTON。3年かけてハブを独自設計で作っちゃたり、リムのワイド化を進めていたりと、ヨーロッパメーカーとは一味違うホイールメーカーでもあるようです。

EC90 SLというカーボンホイールが有名だそうですが、アルミのラインナップはというと

EA90 SLX

リム高:25mm
リム幅:17.5mm
重量:1,400g
価格:162,000円(税込)
 EASTON EA90 SLX

EA90 SL

リム高:27mm
リム幅:19.5mm
重量:1,490g
価格:129,600円(税込)
 EASTON EA90 SL

SLX が軽量トップグレードで SL がセカンドグレードになるわけですが、「NEW MODEL」の表記の通り EA90 SL の方が設計は新しいみたい。

EA90 SLX と EA90 SL の違いは

リム高: 25mm → 27mm
リム幅:17.5mm → 19.5mm (!!)
スポーク数: Fx16,Rx20 → Fx20, Rx24

これまで調べたホイールの中ではリム幅17.5mm って一番広いです(普通の23Cは15mm。Newシャマルやキシリプロでも17mm)。 EA90 SLの19.5mmというのはぶっちぎりのリム幅。

EA90 SL はスポーク数も多くて、前後あわせて WH-9000 C24-CL より8本も多い。スポークが多いことによるメリットは自分にはよくわからないんですが(剛性?耐久性?調整性?)とにかく設計思想が他と違うんだろうなという気はします。

完全チューブレス対応だった前モデルからチューブレスレディというシーラントを使う規格に変更して90g軽量化したというのも、チューブレスに興味のない自分からすると高いポイント。

そして独自設計の「ECHO」ハブ。
EASTON ECHO ハブ

見た目からして独特です。設計も他とは違うよう。自転車のハブに新しい設計の余地があるというのが面白いですね。「横剛性が上がる」というのは複数のサイトで言及されていました。

重量もそれなりにありそうなんですが、少なくとも1,580gだった前モデルではカタログ値通りの重量だった様子なので、それほどでもないようです。

というか WH-9000 C24-CL と比べて「リム高4mmアップ」「リム幅4.5mmアップ」「スポーク8本プラス」で100gしか違わないというのはすごいかもしれません。

実際の乗り味がどうかはわかりませんが、スペックだけで見ると他のホイールとは一番違いがありそうです。

一番の難点は、自分がワイドリムのメリットを理解していないことかもしれません。リムを切削して軽量化をはかったり、カーボンラミネートで補強したり「そこまでやるか」という加工がある一方、全周にわたって数ミリ分の重量が増えてしまうことはデメリットにはならないのかなぁ。


ヴィットリア (Vittoria)


タイヤメーカーだと思っていたヴィットリアも2015年からホイールに参入していたようです。アルミのモデルはというと

Elusion Nero

リム高:フロント26mm、リア28mm
リム幅:17mm
重量:1,576g
価格:129,600円(税込) 2016/6/1の値上げ後の価格
Vittoria Elusion Nero

Elusion

リム高:フロント26mm、リア28mm
リム幅:17mm
重量:1,591g
価格:74,412(税込)
 Vittoria Elusion


重量や素材、価格を見ると、ゾンダやレーシング3に近いカテゴリーのような気がします。他社トップグレードとの中間を狙っているのかな。

レーシングゼロに迫る剛性という評価もみかけますが、カタログスペックからそれを読み取るのは難しいです。

その中でも Elusion Nero はPEO加工。セカンドグレードスペックでエグザリットと同様のリムというのがポイントかも。

モデルの歴史も浅いので Elusion と Elusion Nero の違いはホントにリムの加工だけみたい。ゾンダのリムをエグザリット化したら13万になりました、というのがどう受け入れられるかでしょうか。専用シューは少しお値打ちの2400円。前後で5000円ですね。

ヴィットリアもハブに独自の機構がありまして、SwitchIT という「工具なしでスプロケの交換ができる」仕組み。「予めスプロケットを装着したフリーボディを用意しておけば、シマノ/スラムとカンパニョーロ、あるいは11sと10sを瞬時に交換することが可能」とありますが、この機能がうれしい人っていったいどれくらいいるんだろう。少なくともホイールの性能には関係ないですね。名前もなんかしょぼいと思います。



ヴィジョン (Vision)


VisionはクランクなんかでおなじみのFSAのホイールブランドだそうな。こちらもイタリアブランドです。やはりカーボンホイールのイメージが強いんですが、アルミのモデルもあるようです。

トライマックス35 (TRIMAX 35)

リム高:35mm
リム幅:17mm
重量:1,630g
価格:91,800円(税込)
 Vision TRIMAX 35


トライマックス30 (TRIMAX 30)

リム高:30mm
リム幅:19mm
重量:1,580g
価格:85,860円(税込)
Visionn TRIMAX 30


こちらも重量や素材をみるとゾンダ、レーシング3と同じカテゴリーのような印象。35mmハイトで税込10万円を切っているのは大きいですね。

TRIMAX 30 の方がリム幅が広くて19mm。TRIMAX 35 は17mmだそうです。スポークはフロント16本、リア21本でカンパなんかと同じ。イタリアメーカーのこのあたりのグレードのスポーク数って、ひとつの例外もなく同じです。なにか理由があるのかな。

値段や性能よりも、このモデルの一番の特徴は「リムが黒い」という点かもしれません。黒いリム=EPOではなくアルマイト(anodized)だと。アルミニウム表面に陽極酸化皮膜を作るというこの処理についてぐぐると「やかん」の画像がでてきました。なるほど。耐食性、耐摩耗性が向上するんですって。

ハブがカーボン上位グレードと同じという話もみます。確かに Vision PRA という名前は同じだけど Model No. が全然違うので同じものかはわかりません。


しかしわからん・・・


他にもいろんなメーカーがあるけど、ネットで調べるのはキリがないですね。定番メーカーを外れるとネット上のインプレ記事も少なく、「どういった系のホイールなのか」みたいな点すらイメージしにくいです。自転車雑誌を買えばレビューがあったりするのかな。でもどうせなら身銭を切った人のリアルな話が聞きたいし。

いざ買おうとなっても、どこで買えるかというのも問題です。自分でメンテできないものを通販で買うわけにはいかないし、取り扱いがあるのは大型店が中心なんですよねぇ。


続き↓
アルカーボン(アルミ+カーボン)ディープリムの選択肢を検討してみる