2016年10月2日日曜日

ヒラメ(HIRAME)のポンプヘッドに交換したら感動したという話

ロード乗りの必須ツール「フロアポンプ」のポンプヘッドをヒラメ(HIRAME)の横カムに交換しました。

自転車に乗らない方むけに分かりやすく説明すると「空気入れの口金(くちがね)を、それだけで4,000円とかする高級品に交換したよ」ということになります。その効果は絶大で、「今までの苦労は何だったんだ!」というくらいの違いをレビューします。

ヒラメ(HIRAME)ポンプヘッド 横カム
ヒラメ(HIRAME)ポンプヘッド 横カム型


15年もののフロアポンプのパッキンがついにイカれる


自分が使っているフロアポンプはロードバイクに乗り始める前にキャノンデールのMTBを街乗りで使っていた頃に購入したもの。数えてみると・・・たぶん15年くらい前のものです。台湾の「BETO」というメーカーのものらしい。

仏式、米式対応で、英式用のアダプターも付属する便利なフロアポンプなのですが、コイツが最近エアもれがひどくなってきたんです。

「走りに行くぞ!」と自転車ウエアを着込み、準備万端で空気を入れようとポンピングするも、5barあたりで「シューシュー」いい出し、7barを超えたあたりでポンピングの量と「シューシュー」抜ける量が拮抗するカンジになってきました。目標とする7.5barをゲージが指す頃には軽く汗だく。毎回これをやるのはしんどいなと。

おそらくポンプヘッド内のゴムパッキンが古くなっただけなのでそれを交換すればよいのですが、15年前の海外製品のそんな小さな補修パーツを手配するのが大変そう。公式サイトを見ると、現在はハンドポンプしか作ってないようでもあります。

フロアポンプごと買い替えるという手も考えましたが、以前から気になっていたパーツがありました。クワハラという会社が作っているヒラメ(HIRAME)というポンプヘッド。

HIRAMEポンプヘッドとは?


自転車界隈では有名なポンプヘッドのようです。自分が最初に知ったのはコチラのブログ

見た目の質感も素晴らしいですが、使ってみた人の感想もすごい。「もっと早く購入すればよかった」「空気入れが楽しくなる」など絶賛の嵐

「空気入れ本体より高価なポンプヘッド」ということで様子見していたんですが、自分のポンプヘッドがイカれてきたのならちょうどいいです。2,000-3,000円のフロアポンプに買い替えるよりも、ポンプヘッドだけを買い替えることにしました。

通販ではどこも在庫切れ!


クワハラでは直販していないようなのでどこかネット通販でと検索してみると、どこにも在庫がない! 「国内で職人が手作りしているため、生産量が非常にわずかです」ということだそうで。

定価の2倍で販売しているところもありました。そういうのはちょっとイヤなので、おとなしく入荷待ちすることに・・・したんですが、別件で立ち寄った梅田のシルベストサイクルに普通に置いていました。もちろん即購入です。

シルベスト梅田には横カムが、本町のベックオンには縦カムがありました。


ヒラメポンプヘッドの使い方


さっそくポンプヘッドを交換して使ってみると・・・使い方にコツがいりますね、コレ。付属の「取り扱い説明」ではよくわからなかったのでネットで検索して、なんとなくわかりました(←メカ音痴)。

赤い「HIRAME」部分が回転します

  1. チューブのバルブ先端をゆるめ、アタマを一回押して「プシュッ!」とさせておく
  2. ポンプヘッドのレバーを解放状態にして、バルブに差し込む(ここまでは普通のと同じ)
  3. ポンプヘッドのレバーを倒してみて、何の抵抗もなく倒れるとユルすぎ。赤い「HIRAME」部分を回してちょっと締める。
  4. 抵抗が強くてレバーが倒れないと締めすぎ。ちょっとユルめる。
  5. ちょうどいい位置だと少し抵抗がある手応えでレバーが倒れます。これでロック完了。以前のポンプヘッドと比べて、そうとう軽い抵抗でOKでした。
  6. あとは普通にポンピング

こうして書くとややこしそうですね。実際にはポンプヘッドをかぶせて片手でちょっと回すくらいなので楽ちんです。

ヒラメポンプヘッドの使用感

そして使い心地が素晴らしい!


手に持つとズシリとした重量感。パーツは意外と大きくて、「精巧」というよりも「無骨」な印象です。レバーや回転部を操作した感じはスムーズでいかにも業務用・プロ用という風情。

バルブにセットして「コクン」とレバーを倒す。セットするときもポンピング中も、空気圧が上がっても、もちろんエアーが漏れることは全くありません。そんなに強く固定しているカンジじゃないのに、不思議。

そして秀逸なのがバルブから外すとき!

交換前のヤツだと「んぎぎぎぎ」と強く引っ張らないとダメで、外れた勢いで手をスポークにぶつけたりして。おまけにそのとき「ばしゅー」っとエアが抜けたりして。「今ので0.5barくらい抜けたんじゃないか」みたいなことをやってたんですが、それが全くなくなりました。

ヒラメポンプヘッドのレバーを起こすと「パスッ」とポンプヘッド内のエアーが解放される音がします。この音すごくイイ。そしてポンプヘッドをバルブから外すと、ちょっと抵抗があるくらいで何事もなく外れてくれます。エアーが漏れることもありません。

慣れているとはいえ、やはり空気入れは「ロードに乗る前のちょっとめんどくさい儀式」のような気がしていました。今回それがなくなったように思います。確かにこれは「空気入れが楽しくなる」かもしれない。

うん、もっと早く買っておけばよかったな。


















2016年9月20日火曜日

信越五高原ロングライド2016に参加してきたよ

今年も信越五高原ロングライドに参加してきました。これで5年連続5回目。

高確率で快晴になると参加者もウワサするこのイベント、今回もどピーカンで信越の高原を120kmほど走ってきました(獲得標高は2,700m)。過去2年、ありえない惨敗を喫したリベンジを誓って参加した今回、笑顔で最後の坂を上りゴールすることはできたのでしょうか。



今年のテーマはリベンジ


5年も同じイベントに続けて出ているのには理由がありまして。思えば2年前、2014年は直前にギックリ腰をやってしまい、その影響で最後は両足が痙攣しゴール手前の斑尾の坂を押して上がるハメに。自転車イベントに出るようになって最悪の惨敗でした。

そのリベンジを誓って挑んだ去年(2015年)は事前に走り込みも行って万全の準備だったのですが・・・

高原のペンションでひとり熱出して寝込む

イベント前日にまさかの体調悪化、大阪から長野への車中で高熱を出し、とてもイベントどころではない状態に。もちろんDNSで、イベント当日はただ一人ペンションのベッドで高熱にうなされていました。

「来年はそろそろ別のイベントに出たい」という仲間の意見もあったのですが、「このまま終わってはお前の悔いが残るだろう」と泣きの1回で2016年も信越五高原に参加することになったのでした。

今回のテーマはずばりリベンジです。具体的には、最後の斑尾の上り、通称「魔女坂」を笑顔で上りきって信越五高原を卒業しよう!


2016年の体調も・・・微妙


今年こそは悔いの残らない走りをしたい、ということで7月からローラーも初めて、過去最高の状態で挑むはずだったのですが、自分はこのイベントと相性が悪いのかもしれません。

イベントの2週間ほど前にちょっと「寝違え」をしてしまいました。左の肩から肩甲骨にかけて鈍痛が。「ま、すぐおさまるだろう」という目論見は外れてそれがどんどん悪化。イベント2日前には左肩の痛みが腕にも広がり「1時間ごとにストレッチしないと激痛で座っていられない状態」に。日々の仕事にも影響がでるくらいの事態です。

ローラーをしばらく回していると上半身がほぐれて少し楽になっていたので、「走り出せばなんとかなるはずだ!」ということでスタートはしたのですが、とても万全の体調とは言えません。というか、走り始めてもぜんぜん収まらず、特に下りは痛みとの戦いでした。


今年も信越は快晴でした


2年前の教訓を生かして、今年は最後の「魔女坂」までは体力温存モードでいきました。上り区間も心拍を見ながらセーブ。仲間や周りの人には遅れてしまうけどひたすらマイペースで進み、エイドポイントで追いつくという繰り返し。


今回も快晴。晴れすぎて今年は暑いくらい


昨年は雨でしたが、自分はベッドで寝ていたので知りません。自分が走った信越は全部快晴です!


最後のエイド、サンクゼールについた時点で残り2時間。完走には余裕があるけど、2年前はここからゴールまで1時間40分かかってますからね。万一のことを考えて仲間より先に出発しました。

なんとかリベンジ達成か!?


マイペースを守ったおかげで脚はいつもより余裕がありあそう。でもここまで7時間ほどずっと肩の痛みに耐えながらだったので、身体は変なカンジに疲れています。腰をかばって最後に両足がツッた2年前の悪夢も横切り、最後の上りまではひたすらマイペース。

最後の5km、通称「魔女坂」が始まったところでリミッター解除。肩か腰が「ビキッ」っといったらそれまでだけど、そんなん知らんがな。この日いちばんの強度で踏んでいくと、痛みよりしんどさが勝って不思議と肩も気にならなくなりました。そのまま一気に最後まで踏み倒してゴール!

終わってみればこれまでで一番早い時間に戻ってこられました。魔女坂のタイムも自己ベスト。これで晴れて信越五高原ロングライド、卒業となりました!
















2016年9月12日月曜日

ニューホイール購入! SHIMANO RS-010 後輪のみ

新ホイールが届きました!

これが

こうして

こうなって

こう!

すいません! 固定ローラー用にシマノの一番下のグレードのホイールとローラー専用のタイヤを購入しましたよ、というお話です。しかも後輪だけ。高級ホイールについてのエントリを4つも書いておいてあれは何だったのかと。

しかも「自分でメンテナンスできないモノを通販で買うわけにはとか言っておきながら、通販です。実走しないモノだから、いいかなーと。

高級アルミクリンチャーのはずが、なぜ鉄ゲタに?


実はマビックのキシリウムプロSLにほぼ心は決まっておりました。取り扱っているショップも何軒か行ってみたりして。しかし購入に踏み切るところまではいかず、なんとなくモヤモヤしていました。モヤモヤの中身はおおよそ

  • 7月から始めた朝のベランダローラーが思いのほか続いている
  • タイヤの減りもばかにならないので、ローラー用のタイヤが必要だ
  • となればローラー用のホイールも必要に
  • モチベーション維持にサイコンも買っちゃった
  • 今年は旅行にお金を使いすぎて、このうえ高級ホイールは厳しいぞ!

というようなカンジ。要は懐具合の問題ですな。

新ホイールの物欲とわずかなタイムの伸びをとるよりも、今年はローラー用ホイール&タイヤとサイコンでエンジンの強化を図ろう、ということにしました。

せっかくですので、軽くレビューなどを


ローラー用に選んだホイール SHIMANO WH-RS010-CL(後輪のみ)


リム高:フロント24mm、リア24mm
リム幅:622-15C
重量:1,920(リア1,102g)
対応スプロケ:10/11速
価格(リアのみ):8,280円(税込)

シマノのエントリーグレードのホイールといえばRS-501が8/9/10速対応。その11速対応版がRS-010になるようです。この先11速にすることはあっても9速に戻すことはないだろうということで、RS-010を選びました。

RS-80の887gに対してRS-010は1,102g。後輪だけで200g以上の違いがあります。これだけ違うと持っただけでズシリとその重さを感じます。

自転車にセットしてローラーをまわしてみると・・・お、重い! ローラー台の負荷設定は同じなのに、RS-80と同じ速度では回せません。同じ速度で回そうとすると心拍もどんどん上がり、メディオのはずがソリアみたいなことに。まさに鉄ゲタです。

よく「ホイールを替えるとギア2枚くらい軽くなるよ」みたいなことを言いますが、その逆を体感しました。RS-80って結構いいホイールだったんだなと。

ローラー台専用タイヤ ビットリア(Vittoria) ZAFFIRO PRO HOME TRAINER

ちょうど手持ちに使い古しのタイヤもなかったので、ローラー専用タイヤもついでに購入しました。いくつか選択肢はあったんですが、値段と手に入りやすさでVittoriaに決定。


ド派手な赤いタイヤなら間違えてローラー用ホイールで走りにいってしまうこともなく安心です(持った瞬間重さでわかるので間違う奴ぁいませんが)。

そもそも「ローラー専用」ってどこが普通のタイヤと違うのかという点については

騒音がすくなくなる?

実走のことを考えなくていいので、耐久性と静音性に特化できるということでしょうか。中でも「静かになった!」というレビューを多く見かけます。

が、自分の環境では特に違いはわからず。そもそもローラーをやる環境が集合住宅の中→ベランダに変わっているので環境の違いの方が大きいです。音が大きくなった感じはしないので、たぶん静かになってるんでしょう。

タイヤをはめるのに苦労する?

タイヤが固くて「タイヤレバーを駆使してなんとか」みたいな話もみかけますが、これも自分の環境では手ですんなりはまりました。使っているホイールによるところが大きいんでしょうね。

耐久性は?

週に2,3回、1回50分ほどのローラーなので耐久性をみるにはまだまだ時間がかかりそうです。少なくとも前のタイヤ(エクステンザR1X)では明らかにローラーで磨耗が進んでいたのですが、パッと見、それはなくなりました。

「赤い削りカスが出る」というレビューも見かけますが、特にそんなこともなかったです。これはローラーとの相性が大きいんでしょう。


結論としては「違いはようわからん」ということになるんですが、なによりホイールやタイヤのことを気にせずにローラーを回せるようになったのが大きいです。

あとは投資に見合う成果をあげるべく、日々のローラーに励むだけなのですが、どうかな続くかなー。





2016年8月22日月曜日

(後編)キャットアイのBluetoothサイコン、パドローネスマートプラスのレビュー

前編の概要編はこちらです。

パドローネスマートプラスの使用レビューの後編は、使っていて気になった点、イマイチだった点をまとめます。事前にネットで調べた感じで旧機種について指摘されていた点が多いことは知っていたのですが、最新機種のパドローネスマートプラスもなかなか残念な子でした。



使用しているスマホの種類やOS・アプリのバージョンによってレビューの結果はけっこう変わってくると思います。自分の使用環境はこんなカンジ。

使用デバイス:iPhone 5S
iOSバージョン:9.3.3
Cateye Cyclingバージョン:1.5.6 (最新)
ファームウェアバージョン:1.1.0E (最新)

Cateye Cyclingとファームウェアは購入時点(7月)で最新のものに更新。その後、8/5に出たアップデートを8/11に適用しています。

Bluetooth接続が頻繁に切れる

パドローネスマートプラスは各種センサーとサイコンの間にスマホが介在する仕組みになっています。つまり、

心拍・速度センサー
  ↓
  ↓(A)
  ↓
スマートフォン
  ↓
  ↓(B)
  ↓
サイコン本体

のように(A)と(B)の2つの接続が存在するんですが、これが割と頻繁に切れます。

特に(B)の接続断は多くて、1ヶ月で6回のライド、合計約500kmで9回発生。だいたい2~3時間に1回くらい発生しています。

現象としては、サイコンがスマホを見失い、画面に「Searching...」と表示されている状態。だいたい1~2分程度で再接続しますが、長いときは5分くらいかかります。もちろんその間は速度・ケイデンス・心拍などの情報は確認できません。

走行中にこの画面になるとモチベーション大幅ダウン


信号待ちの間に「Searching...」とかやっているときは「またやってるなぁ」くらいの余裕があるのですが、TTモードでがんばっているときなんかに発生すると「ちゃんと仕事しろ!」という心境になります。

発生する条件みたいなのは特になく、40分程度のローラーでも発生します。ローラーを回していて心拍も速度もわからなくなるとかなりツライ。

一方、(A)の接続断はセンサーの数値がサイコンに表示されなくなる状態。心拍と速度は表示されるけどケイデンスがダメ、みたいなカンジです。頻度は少ないのですが、発生するとその間のデータが記録されないのが痛いです。

GPSログも欠ける

GPSのログ欠けも発生します。サイコンがしばらく「Searching...」表示になった区間のGPSログが正しく取れていなかったことがありました。

パドローネスマートプラスで記録したログをStravaにアップしてみると、走ったはずのセグメントの記録がない。よーくデータをみると「Searching...」区間の一部が一直線のログになっていて、その区間を走ってないことにされていました。
勝尾寺の折り返し手前部分が一直線に


この時は保険としてStravaアプリでもGPSログを記録していて、そちらは正常に記録されていました(BluetoothはOFFの状態)。

Stravaアプリのログは正常


GPSはスマホの機能なのでセンサーやサイコンは関係ないはず。なぜCateye Cyclingではログが欠けたのか謎です。もしかしてセンサーとサイコンの両方をロストするとGPS計測も停まってしまう仕様なんでしょうか。

Stravaアプリでもログ欠けは稀に発生しますが、年に1回あるかないか。5,000kmに1回くらいです。500kmで発生しているCateye Cyclingの信頼性は1/10ということに。

なので今は、ライドに出るときはCateye CyclingとStravaの両方をスタートさせています。走行中に接続断が発生したライドではCateye Cyclingのログは使わず、Stravaアプリのログをアップロードすると。

心拍・速度・ケイデンスのデータがなくなるのは残念ですが、GPSのログが欠けるほうが痛いです。

センサー表示のタイムラグ

これはこっちのレビューにもあったポイント。センサーの表示にだいたい3秒くらいのタイムラグがあります。信号で停まったときに速度がゼロになるまでの間がそれくらいです。ケイデンスや心拍も同じように遅延があります。

あいだにスマホが入る仕組みなのでタイムラグがあるのかなと思ったんですが、センサーとサイコンを直接接続する「センサーダイレクトモード」でも同じようにラグるので、この製品自体の仕様のようです。

走ってる間の3秒ってけっこう長いので、動作がもっさりしている印象になってしまいます。


マウントの精度

製品に付属してきたステムマウントで固定しているのですが、ホルダー部分の精度が悪く走行中ずっとガタつきます。長いダウンヒルとかだとかなりウルサイ。

振動でディスプレイの液晶が壊れないかと心配になるほどだったので、ビニールテープで隙間を埋める簡易DIYで対応しました。


パドローネスマートプラスのレビューまとめ

いつものサンデーライドはまだしも、例えばヒルクライムレースに出るときにパドローネスマートプラスを使うかどうか、結構悩ましいかもしれません。
  • 常に表示が3秒くらい遅延していて
  • 高確率でサイコンの表示を確認できない時間が発生し
  • 場合によってはGPSログも欠ける
おまけに、センサーとの接続断が発生するとその間の走行時間と走行距離も計測されないので、ゴールまでの残り距離や現在のタイムも正確にはわからなくなります。
モノとしての信頼性はかなり低いです。

Garminで使われているANT+では接続断や表示遅延の話は聞かないので、おそらくBluetooth接続の技術的な問題が多いんだと想像します。Bluetoothを使っているWahooやPolarのサイコンではどうなんでしょうね。

Cateye Cycling やファームウェアのアップデートで改善することを期待したいところですが、2年前の旧機種のレビューにあった症状が未だにそのままということは望み薄かもしれません。

iPhone6Sで「まったく問題ない」というレビューもあったので、iPhoneを買い替えるまではこのまま使うしかないかなー

2016年8月18日木曜日

キャットアイのBluetoothサイコン、パドローネスマートプラスのレビュー(前編)

定期的に固定ローラーをやるようになって思わず衝動買いしてしまったキャットアイのパドローネスマートプラス(CC-SC100B)。1ヶ月間使用してみた感想をインプレとしてまとめてみました。

パドローネスマートプラス トリプルキット

通販での取り扱いが制限されているせいか情報の少ない製品なので、前編と後編の2つに分けてお送りします。後編はこちらです。

変更前のサイコン環境

比較のために、パドローネスマートプラスを購入する前の環境を簡単に紹介します。

サイコンはキャットアイのV2cという6年くらい前の機種。速度とケイデンスが計測できるタイプです。


心拍計はSuuntoのAdvizor。買ったのは12~13年くらい前。見た目はアウトドア系の腕時計ですが、心拍・気圧・高度・方位が表示できます。これだけ古い機種に対応する心拍トランスミッターをまだラインナップしてくれているのはさすがSuunto。

走行ログの記録にはStravaのiPhoneアプリを使っています。サイコンも心拍計もモダンな通信規格には対応していないのでGPSログだけ。

今回はこれらレガシーなセンサー系をすべてやり替えてしまおう!ということになります。

パドローネスマートプラスの特徴

Garmin Edgeシリーズなどとは異なり、サイコン本体にはGPS機能はありません。GPSはスマホに任せて、サイコン本体はスマホからのデータの表示だけを行うという考え方の製品です。WahooのRFLKTと同じですね。

いちおう、スマホを使わないモードもあります

バッテリー消費の激しいGPS機能をスマホに任せることで、サイコン本体は充電式ではなく電池式です。CR2032電池2個で約4ヶ月(120時間)保つとのこと。

各種センサーとの接続方式はBluetoothで、GarminのANT+とは互換性はありません。センサーをANT+にするかBluetoothにするかというのも大きなポイント。VHSとベータほどではありませんが。

他にもいろいろありますが、製品概要はワールドサイクルアスキーのレビューがまとまっているので、そちらををどうぞ。


パドローネスマートプラスを購入したポイント


というよりも「なぜGarminにしなかった」のか。大きく次の4点です。
  • これ以上充電式のデバイスが増えるのがイヤ
  • そもそも予算オーバー
  • StravaのiPhoneアプリはBluetoothに対応してるので、何か便利に使えるんじゃ?
  • Garminはときどきログが吹っ飛ぶと聞いたので・・・

充電式だと自分の場合、自転車に乗ろうとしたときに「あ、充電できてねぇ!」となるのが目に見えていますし、充電式のモノは製品寿命=バッテリーの寿命になってしまうので、平気で10年以上モノ持ちする自分には向いてないような気がしました。

StravaアプリがBluetooth対応している点は、実際使ってみるとあまり意味はなかったです。詳しくは後述。

ログの件は知り合いの話や自転車ブログなどからのざっくりした印象です。実際使ってみるとパドローネスマートプラスの信頼性は残念だったので、たぶんGarminの方が上だと思います(使ったことないけど)。詳しくは後編で。


パドローネスマートプラスの使い方

この製品は

各種センサー → スマホ → サイコン本体

というふうに接続する仕組みになっていて、スマホにインストールする「Cateye Cycling」というアプリが操作の中心になります。各種センサーとのペアリング操作や、画面分割、表示項目の設定などもアプリから行います。

製品にはマニュアルが付属せず、初期設定もCateye Cycling(からリンクされているWEBマニュアル)を見ながら行うことになります。購入前にCateye Cyclingをダウンロードしておくといいかもしれません。初期設定はマニュアル通りにやれば難しいことはないレベルだと思います。

一方、サイコン(パドローネスマートプラス)の使い方はやや独特です。それまで使っていたサイコン(V2c)との違いで面食らったのは
  • サイコンのスタートはスマホ側(Cateye Cycling)から行う
  • ログの保存操作はもちろんスマホ側で行う
  • サイコンの電源OFFもスマホ側から行う
とにかくスマホ主体になってます。

ライドの流れは下記のようなカンジ。マニュアルにはサイコン側でできる操作も記載されているんですが、ボタン操作がトリッキーなのでスマホ側からできることはスマホ側でやっています。

スタート時:

1. サイコンのMODEボタンを押して、スマホサーチ状態にする
2. スマホでCateye Cyclingを起動し、接続モードをONにする
3. サイコン、各種センサーと接続したら、Cateye Cyclingのトリップ画面でスタートボタンを押して計測スタート

ライド中:

4. コンビニ休憩などで接続範囲外に出ても、サイコンの近くに戻ってくれば自動で再接続する
5. サイコンがスリープに入っていたら、もう一度MODEボタンでスマホサーチ状態にして再接続

終了時:

6. Cateye Cyclingの停止ボタンで記録を停止
7. 保存ボタン(チェッカーフラッグ)で記録のアップロード
8. Cateye Cyclingの接続モードをOFFにして、サイコンの電源を切る


パドローネスマートプラスの使用感

なんといっても心拍・速度・ケイデンスが記録できるようになったのは大きいです。そもそもの動機がローラー台のモチベーション維持なので、毎日同じことをやっていてもデータに変化があれば(あるいはなくても)それはそれで励みになります。

ついにStravaにこのログが

ライドのログに心拍やケイデンスが記録されることで、自分と比べて他の人のライドを客観的な数値で見る軸が増えました。同じコースをその速度・心拍で走れるのか! とか、4時間のライドで平均心拍150以上って具体的にどれくらいしんどいか、とかリアルに理解できるカンジです。
記録を振り返るのは結構楽しい

スマホの存在が前提になっているので、固定ローラーの時にもスマホ必須になるのは注意かもです。

スマホのバッテリーの減りはちょと早くなった

スマホのバッテリー消費は以前と比べて体感で1割くらい速くなりました。GPSに加えてセンサー、サイコンとの通信をやってるので、ま、こんなもんでしょう。前からツール缶にモバイルバッテリーを入れているので、バッテリーの心配はありません。

サイコンの画面に常にスマホのバッテリー残量が表示されているのはとても便利です。

ランニングコストはかなり増加

ランニングコストはかなり悪化します。V2cはCR2032電池1個でだいたい1年半くらい保ちましたが、パドローネスマートプラスはCR2032電池2個で約4ヶ月とのこと。ランニングコストは実に9倍。

Stravaアプリとのセンサー同時使用はNG

Bluetooth対応のセンサーにすればStravaのiPhoneアプリを使う時に何かと便利かと思ったんですが、実際にはあんまり意味はなかったです。

StravaアプリにCateyeのセンサーを認識させることは特に問題ありませんでした。でもこの状態だと当然サイコンには何も表示されないのでCateye Cyclingも起動してセンサーを認識させる必要があります。
Stravaアプリでセンサーは認識するけど、サイコンに表示できないのであまり意味はなし。

つまり2つのアプリが同時にセンサーを認識する状態になるわけですが、この状態では接続が安定しないんです。センサーとの接続が切れたり、切れていないように見えてもログが記録されていなかったり。とにかく2つのアプリが同時にBluetoothセンサーを掴みにいくのはNGな動作でした。※
(※問題ないというブログもあったので、スマホの種類によっては問題ないのかもしれません)

考えてみれば2つのアプリに同じことをさせる必要はない。パドローネスマートプラスを使うならスマホ側のアプリはCateye Cyclingだけ、ということになります。そりゃそうか。

ただ、実際使ってみてなんとなくCateye Cyclingというアプリに不安があったので、しばらくは保険としてStravaアプリもBluetoothをOFFにした状態で起動して、GPSログだけは取得させるようにしていました。このことが後日役にたったんですが、その話は後編で。

パドローネスマートプラスの不思議な点

製品のスペックとは別の次元で不思議に思ったことが2つありました。

通販が制限されている?

パドローネスマートプラスはどういうわけかAmazon等での取り扱いがなく、店頭販売のみに制限されているようなんです。

値崩れを防ぐ的な意味合いかと思ったんですが、店頭では普通に値引きして売られていますね。

対面販売的に詳しく製品の説明がある、というわけでもなかったです。

Stravaのログにデバイス名が表示されない

Stravaでは、ライドの記録に使ったデバイス名が表示されます。Strava iPhone App とか Garmin Edge 520J とか。

パドローネスマートプラスでアップした場合、このデバイス名はGPXとだけ表示されてCateyeのキャの字も表示されません。せっかく使っているのにもったいないなと。

デバイス「GPX」。確かにGPXフォーマットなんでしょうけども、機種名くらい出せばいいのに。

考えてみればStravaでキャットアイのサイコンの名前を見たことってないかもです。単に使ってる人が少ないだけかもしれませんが、デバイス名の設定をしてないだけだとしたらもったいないです。



パドローネスマートプラスのレビュー前編はこんなところです。
後編は使ってみてやや残念だった点をレポートします。

(後編)キャットアイのBluetoothサイコン、パドローネスマートプラスのレビュー










2016年8月15日月曜日

固定ローラーはじめました。なぜか新サイコンも購入?

速くなるには乗るしかない! ということはわかっているものの、現実問題としてはなかなか難しいですよね。ローラー台を使うか自転車通勤を始めるか。職場的に自転車通勤は難しいので、固定ローラーを始めてみました。現在1ヶ月目。これまで三日坊主でものにならなかったローラーが続いている秘訣とは!?



週イチのライドでは遅くなっている気が・・・

ここ4〜5年、自分の年間走行距離は3,500〜5,000kmほど。だいたい80kmくらいの距離を週イチかちょっと多い頻度で乗っているカンジです。土日を中心に乗る今の生活だと、このあたりの走行距離が精一杯。

そしてこの4〜5年、走力はほぼ横ばいです。今年の鈴鹿エンデューロでは確かに成長を感じたものの、それは月イチで走っていた2009年以前と比較しての話。事実、Stravaのセグメントのベストタイムは2012年、2013年の頃のものが多いです。

勝尾寺は2013年の6月がベスト

妙見山は2012年から実に4年間更新できていません。

さらに最近、週イチのライドでは向上するどころか逆にちょっと遅くなっているような気がするんです。例えば、土曜日にがんばって走って得た効果が平日のうちになくなっていき、次の土曜日には先週よりもちょっと弱くなっているようなカンジ。同じコースを走っていても年々なんかキツクなっているような。これが加齢というヤツなんでしょうか・・・

競技のために自転車に乗っているわけではないので遅くて問題があるわけではないんですが、これだけ時間を使っている趣味で一向に成長がないというのもなんかくやしい、というわけで部屋でホコリをかぶっていた固定ローラーをなんとか続けてみることにしました。

帰宅後にローラーは無理! 朝だ朝!

ローラーやってる人はいつ乗ってるんでしょうかね。ブログとかを見ているカンジだと仕事から帰ってきた後、夜に乗ってる人が多い印象です。自分もこれまで「帰宅後に!」と思ってたんですが。

無理無理無理! 帰ってくるのは遅いし時間もまちまち。「今日は乗るぞ!」と思ってても疲れた帰宅途中に「ま、いいか・・」みたいになっちゃうし。それにビールとかすぐに開けてしまいますし。

今年も何回か夜に乗ってみたんですが「やっぱこれは続かんな・・・」と。

夜が無理なら朝だ! ということで、1時間早起きして乗ることにしてみました。以前は睡眠時間が1時間少なくなるとか考えられなかったんですが、今はそうでもないカンジ。1時間くらいならなんとかなりそうです。加齢にも良い側面があるものです。

集合住宅で室内ローラーはやっぱ気になる! 場所はベランダで!

ローラーに乗る場所も変えました。以前は玄関でやってたんですが、

  • 音が気になる(ローラーも古いので)
  • 暑い!(思い立ったのが夏という)
  • 玄関に匂いがつかないか心配(汗だらだらになりますし)
  • 退屈!(これはローラーの宿命か)


という難点がありました。特に音の問題は集合住宅の人は気になりますよね。実際には隣家や階下に聞こえるほどの音や振動は出てないと思うんですが、気が弱いので気にしてしまいます。

「チャリダー」という番組で俳優の猪野学さんがマンションのベランダでローラーを回してるシーンがあったのを思い出し、自分もやってみると、これがいいカンジです。



屋外なので音はほとんど気にならないし(むしろセミの声にかきけされる)、汗も流し放題。真夏とはいえ朝は意外と涼しい風が吹いていたりして、屋内よりずっと快適です。退屈なのはどうしようもないけど、radikoで朝のAMラジオを聴きながらやっています。

過去最高に続いている

トレーニングログが欲しくなる

ローラーが続くようになってきて思ったのが「何か結果を確認できる情報がほしい」ということ。Stravaをスタートさせておけば乗った時間は記録されますが、「何分がんばった」以上の何か励みになる情報が欲しいなと。

パワーメーターは使いこなせる気がしないので心拍や速度だけでも記録できるといいんだけど、持っているサイコンも心拍計も古いヤツで、Ant+にもBluetoothにも対応していません。

というわけで・・・

パドローネスマートプラストリプルセンサーキット

キャットアイのBluetoothサイコン、パドローネスマートプラスを買ってしまいました。これでStravaに心拍とかも残せるはず。

ローラーの成果(あるのか!?)とパドローネスマートプラスのレビューは、また近いうちに。

パドローネスマートプラスのインプレを書きました




2016年8月13日土曜日

輪行でふたたび阿蘇とやまなみハイウェイをロードバイクで走ってきました!

今年(2016年)の夏旅行は予定通り熊本県阿蘇へ自転車(ロードバイク)を持って遊びに行ってきました)。道路や鉄道をはじめ、地震や豪雨の被害からの復興ははじまったばかりですが、多くの宿泊施設や観光地は通常に戻っているように思いました。外輪山ややまなみハイウェイの絶景を楽しんできましたよー!


熊本から阿蘇へは迂回ルートで

関西から阿蘇は鉄道のアクセスが良くて、本来であれば新大阪から乗り換え1回で阿蘇駅までいくことができます。輪行にも便利なんですが、地震の影響で現在は阿蘇へのメインルートが使えないため、鉄道は肥後大津駅まで。そこから自走で阿蘇に入ることになります。


阿蘇火口や草千里、米塚へ向かう阿蘇パノラマラインも通行止めなので、自転車で走るなら外輪山とやまなみハイウェイが中心になるカンジ。阿蘇は6年前にも自転車で走り倒したということもあり、今回は自転車半分、レンタカーでの観光半分ののんびりプランにしてみました。

JR西日本の「スーパー早特きっぷ」では、輪行のときに必ず確保したい車両の一番後ろの席を指定して予約できるのでありがたいです。


ミルクロードの登りは意外とキツイ


実際に行ってみると、肥後大津駅からの自走はなかなかキツかったです。コース的には上り区間が9.5km、斜度が5%程度でそれほどな印象だったんですが、
  • 荷物をリュックで背負うスタイルだったこと
  • クルマの交通量が想像以上に多かったこと
  • 猛暑日の真っ昼間のヒルクライムになったこと
ということもあり、想像以上に大変でした。おとなしくクルマで入るか、荷物を先に送ったり到着時刻をよく考えたほうがよいかもしれません。

阿蘇のサイクリングは最高!

それでも着いてしまえば阿蘇はやっぱりロードバイクで走るには最高です。草原の緑と断崖の高低差の景色は他ではなかなかないと思います。

大観峰から。見通しやや悪し。観光客の数は以前と変わらないくらい大勢が。

やまなみハイウェイ。今回は長者原までの山越えはせずに、草原をのんびりと。



今回はレンタカーを借りて高千穂にも足を伸ばしました。

箱石峠の眺めがいちばん好きかも。

高千穂峡。ここもかなりの賑わい。

南阿蘇の水源を回ったり。

いまきん食堂のあか牛丼。ここも行列の混雑。

最終日は小次郎渕でお肉と釜飯を。

たいして走っていないのに、摂取カロリーは相当オーバー気味でした。

何年かしたら、また行こう


帰りは、熊本からの新幹線の時間が遅めだったので、熊本市内を少し観光しました。熊本城に行ってみたところ、まだほとんど復旧は手をつけられていない様子。「天守閣の近くくらいまでは行けるのかな」くらいの感覚だったんですが、4ヶ月前の映像でみたままの状態でした。


城が建つ土台の石垣があちこちで崩れているわけだから、まずはそれを復旧しないといけません。一見大丈夫そうな部分も本当に問題ないのか調べないとですし、復旧となってもこの規模の石垣を積みなおす?ことになると相当な工事になりそうです。震災以降、天守閣の2階より上にはまだ人も入れていない状態だそうなので、復旧にはまだまだ時間がかかりそうです。

震災で崩落した阿蘇大橋も、ようやく「どの工法で架け替えるか」が決まったところのようです。これも年単位の工事になるでしょうから、それまではミルクロードがメインアクセスルートに。輪行で阿蘇駅まで行けるようになるには、もう少し時間がかかりそうです。

また何年か後、今度は自転車で火口までいけるようになっているといいな。