通販での取り扱いが制限されているせいか情報の少ない製品なので、前編と後編の2つに分けてお送りします。後編はこちらです。
変更前のサイコン環境
比較のために、パドローネスマートプラスを購入する前の環境を簡単に紹介します。サイコンはキャットアイのV2cという6年くらい前の機種。速度とケイデンスが計測できるタイプです。
心拍計はSuuntoのAdvizor。買ったのは12~13年くらい前。見た目はアウトドア系の腕時計ですが、心拍・気圧・高度・方位が表示できます。これだけ古い機種に対応する心拍トランスミッターをまだラインナップしてくれているのはさすがSuunto。
走行ログの記録にはStravaのiPhoneアプリを使っています。サイコンも心拍計もモダンな通信規格には対応していないのでGPSログだけ。
今回はこれらレガシーなセンサー系をすべてやり替えてしまおう!ということになります。
パドローネスマートプラスの特徴
Garmin Edgeシリーズなどとは異なり、サイコン本体にはGPS機能はありません。GPSはスマホに任せて、サイコン本体はスマホからのデータの表示だけを行うという考え方の製品です。WahooのRFLKTと同じですね。
いちおう、スマホを使わないモードもあります
バッテリー消費の激しいGPS機能をスマホに任せることで、サイコン本体は充電式ではなく電池式です。CR2032電池2個で約4ヶ月(120時間)保つとのこと。
各種センサーとの接続方式はBluetoothで、GarminのANT+とは互換性はありません。センサーをANT+にするかBluetoothにするかというのも大きなポイント。VHSとベータほどではありませんが。
他にもいろいろありますが、製品概要はワールドサイクルやアスキーのレビューがまとまっているので、そちらををどうぞ。
パドローネスマートプラスを購入したポイント
というよりも「なぜGarminにしなかった」のか。大きく次の4点です。
- これ以上充電式のデバイスが増えるのがイヤ
- そもそも予算オーバー
- StravaのiPhoneアプリはBluetoothに対応してるので、何か便利に使えるんじゃ?
- Garminはときどきログが吹っ飛ぶと聞いたので・・・
充電式だと自分の場合、自転車に乗ろうとしたときに「あ、充電できてねぇ!」となるのが目に見えていますし、充電式のモノは製品寿命=バッテリーの寿命になってしまうので、平気で10年以上モノ持ちする自分には向いてないような気がしました。
StravaアプリがBluetooth対応している点は、実際使ってみるとあまり意味はなかったです。詳しくは後述。
ログの件は知り合いの話や自転車ブログなどからのざっくりした印象です。実際使ってみるとパドローネスマートプラスの信頼性は残念だったので、たぶんGarminの方が上だと思います(使ったことないけど)。詳しくは後編で。
パドローネスマートプラスの使い方
この製品は各種センサー → スマホ → サイコン本体
というふうに接続する仕組みになっていて、スマホにインストールする「Cateye Cycling」というアプリが操作の中心になります。各種センサーとのペアリング操作や、画面分割、表示項目の設定などもアプリから行います。
製品にはマニュアルが付属せず、初期設定もCateye Cycling(からリンクされているWEBマニュアル)を見ながら行うことになります。購入前にCateye Cyclingをダウンロードしておくといいかもしれません。初期設定はマニュアル通りにやれば難しいことはないレベルだと思います。
一方、サイコン(パドローネスマートプラス)の使い方はやや独特です。それまで使っていたサイコン(V2c)との違いで面食らったのは
- サイコンのスタートはスマホ側(Cateye Cycling)から行う
- ログの保存操作はもちろんスマホ側で行う
- サイコンの電源OFFもスマホ側から行う
ライドの流れは下記のようなカンジ。マニュアルにはサイコン側でできる操作も記載されているんですが、ボタン操作がトリッキーなのでスマホ側からできることはスマホ側でやっています。
スタート時:
1. サイコンのMODEボタンを押して、スマホサーチ状態にする2. スマホでCateye Cyclingを起動し、接続モードをONにする
3. サイコン、各種センサーと接続したら、Cateye Cyclingのトリップ画面でスタートボタンを押して計測スタート
ライド中:
4. コンビニ休憩などで接続範囲外に出ても、サイコンの近くに戻ってくれば自動で再接続する5. サイコンがスリープに入っていたら、もう一度MODEボタンでスマホサーチ状態にして再接続
終了時:
6. Cateye Cyclingの停止ボタンで記録を停止7. 保存ボタン(チェッカーフラッグ)で記録のアップロード
8. Cateye Cyclingの接続モードをOFFにして、サイコンの電源を切る
パドローネスマートプラスの使用感
なんといっても心拍・速度・ケイデンスが記録できるようになったのは大きいです。そもそもの動機がローラー台のモチベーション維持なので、毎日同じことをやっていてもデータに変化があれば(あるいはなくても)それはそれで励みになります。
ついにStravaにこのログが
ライドのログに心拍やケイデンスが記録されることで、自分と比べて他の人のライドを客観的な数値で見る軸が増えました。同じコースをその速度・心拍で走れるのか! とか、4時間のライドで平均心拍150以上って具体的にどれくらいしんどいか、とかリアルに理解できるカンジです。
記録を振り返るのは結構楽しい
スマホの存在が前提になっているので、固定ローラーの時にもスマホ必須になるのは注意かもです。
スマホのバッテリーの減りはちょと早くなった
スマホのバッテリー消費は以前と比べて体感で1割くらい速くなりました。GPSに加えてセンサー、サイコンとの通信をやってるので、ま、こんなもんでしょう。前からツール缶にモバイルバッテリーを入れているので、バッテリーの心配はありません。
サイコンの画面に常にスマホのバッテリー残量が表示されているのはとても便利です。
サイコンの画面に常にスマホのバッテリー残量が表示されているのはとても便利です。
ランニングコストはかなり増加
ランニングコストはかなり悪化します。V2cはCR2032電池1個でだいたい1年半くらい保ちましたが、パドローネスマートプラスはCR2032電池2個で約4ヶ月とのこと。ランニングコストは実に9倍。Stravaアプリとのセンサー同時使用はNG
Bluetooth対応のセンサーにすればStravaのiPhoneアプリを使う時に何かと便利かと思ったんですが、実際にはあんまり意味はなかったです。StravaアプリにCateyeのセンサーを認識させることは特に問題ありませんでした。でもこの状態だと当然サイコンには何も表示されないのでCateye Cyclingも起動してセンサーを認識させる必要があります。
Stravaアプリでセンサーは認識するけど、サイコンに表示できないのであまり意味はなし。
つまり2つのアプリが同時にセンサーを認識する状態になるわけですが、この状態では接続が安定しないんです。センサーとの接続が切れたり、切れていないように見えてもログが記録されていなかったり。とにかく2つのアプリが同時にBluetoothセンサーを掴みにいくのはNGな動作でした。※
(※問題ないというブログもあったので、スマホの種類によっては問題ないのかもしれません)
考えてみれば2つのアプリに同じことをさせる必要はない。パドローネスマートプラスを使うならスマホ側のアプリはCateye Cyclingだけ、ということになります。そりゃそうか。
ただ、実際使ってみてなんとなくCateye Cyclingというアプリに不安があったので、しばらくは保険としてStravaアプリもBluetoothをOFFにした状態で起動して、GPSログだけは取得させるようにしていました。このことが後日役にたったんですが、その話は後編で。
パドローネスマートプラスの不思議な点
製品のスペックとは別の次元で不思議に思ったことが2つありました。通販が制限されている?
パドローネスマートプラスはどういうわけかAmazon等での取り扱いがなく、店頭販売のみに制限されているようなんです。値崩れを防ぐ的な意味合いかと思ったんですが、店頭では普通に値引きして売られていますね。
対面販売的に詳しく製品の説明がある、というわけでもなかったです。
Stravaのログにデバイス名が表示されない
Stravaでは、ライドの記録に使ったデバイス名が表示されます。Strava iPhone App とか Garmin Edge 520J とか。パドローネスマートプラスでアップした場合、このデバイス名はGPXとだけ表示されてCateyeのキャの字も表示されません。せっかく使っているのにもったいないなと。
デバイス「GPX」。確かにGPXフォーマットなんでしょうけども、機種名くらい出せばいいのに。
考えてみればStravaでキャットアイのサイコンの名前を見たことってないかもです。単に使ってる人が少ないだけかもしれませんが、デバイス名の設定をしてないだけだとしたらもったいないです。
パドローネスマートプラスのレビュー前編はこんなところです。
後編は使ってみてやや残念だった点をレポートします。
→ (後編)キャットアイのBluetoothサイコン、パドローネスマートプラスのレビュー
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