2014年12月7日日曜日

楕円ギア ROTOR Q-RINGSの使用レポート(約8ヶ月3,700km走行)

シクロワイアードにROTOR Q-RINGSの広告記事があがっていて、自分も今年楕円ギアのQ-RINGSに換装していたことをはたと思い出しました。気がつけば約8ヶ月、走行距離は3,700km。もう前の状態を忘れてるだろ!という遅すぎ使用インプレです。

この手のブログはいっぱいあるので最初に結論をまとめると:
  • 楕円ギアにしたからって速くはならない。
    でも楽にはなるかも
  • ペダリングに意識がいくようになったのが最大の効果かも
といったところです(なんだそりゃ)。

スペックをまとめましょう

5700系の105コンパクト50-34からの換装です。110 PCD COMPACT ROAD 50-34 の貧脚仕様。インナーの楕円率も小さくて「ほぼ真円」といわれているモデルです。
ROTOR Q-RINGS ROAD MODEL

チェーンリングだけを換えるつもりが、いつの間にかクランクまで換装することになっていました。主な理由は105シルバー+Q-RINGSの見た目の問題だったんですが、BBの都合やらなんらやで上位モデルのクランクにすることに。この棒が数万円ですよ。でも今回はまだチェーンリングからクランクが生えてくる程度で済んでよかったのかもしれません。巷にはフレームが生えてくる方も大勢いらっしゃるようですから・・・

インプレ者のスペックはこんなところ
  • 40代前半
  • 年間走行距離:3,500-4,500km
  • 2014年ツールド美ヶ原: 1時間40分
  • 2013年つがいけサイクルクラシック:1時間30分
同年代の半分以下でうろうろしている、どこのサイロにもいるサンデーライダーだと思われます。

で、楕円ギアってどうなの?

2014年の4月にオーバーホールのついでに換装してもらったんですが、乗り始めこそ「おおお!?」と違和感を感じたものの、30分もすると何も感じなくなっていました。第一印象は正直なところ「あれ、これ換えた意味あるんかいな?」というものでした。

確かにトリセツには「だまって500km乗りなさい」と書いてあったので半ばあきらめ気味に乗っていたんですが、いくつか変化がありました。

ケイデンスは上がる

ケイデンスが上がりました。5-10くらい。
「なんか脚まわってるなー」と思うとケイデンス100以上になっていて驚く、ということが何度もありました。それまでは意識して回さないと100を超えることはなかったです。

これは楕円ギアの特性のひとつ「力の入りにくい部分でギアが軽くなる」という効果だと思われます。そのぶん回しやすくなるんですね。

だからといって速くなるわけではない

ケイデンスが上がれば速くなりそうなものですが、そうは上手くいきません。回しているギアがひとつ軽いんです。それまでならシフトアップしていたところを、回しやすいものだからそのまま回しているだけで、スピードは速くなりません。

ただ、機材の変化がケイデンスという数値として出てきたところが興味深かったです。

気になるもう1つの効果

そうなると気になってくるのは、楕円ギアのもう1つの効果「力の入りやすい部分でギアが重くなる」という部分です。
ROTORのサイトによると、Q-RINGSはクランクが4時の位置で最大の歯数になるようです。そう思って踏んでみると、確かに手応えのある位置とそうでない位置が感じられ(るような気がし)ます。

また、ペダリングについて調べるようになったので、「踏み込む力」と「推進力になる力」が別であることも知りました。例えば有名ブログさんのこんな記事です。

モーツァルトな走りで:クランクの力学

真下に向かって踏み込む場合、それが最も推進力に変わるのはクランクが3時の位置のとき。踏み込む方向は真下ばかりではダメで、チェーンリングの接線方向に力をかけ続けるペダリングが理想だそうです。うんうん、なるほど。

自分はこれまで「ペダルを踏む」という感覚は全くなかったんです。ロードに乗り始めたときに「踏むと疲れて長く保たない」という経験を何度かして以来、なるべく膝から下の意識を切って「軽いギアでくるくる」という走り方でした。「足がつる」という経験がほとんどないのもそのせいかもしれません。

けど、「4時の位置で力がかかる」とか「踏む位置」とか意識するようになると、ペダリングの意識が少し変わってきたんです。


効率のよいペダリングとは

ROTORのサイトによると、人の筋肉の構造上、ペダリングに使える筋肉はどうしても0時から6時の間に集中します。踏み脚と引き脚を同じように考えることはできません。引き脚ではパワーを出すというよりも、反対側の踏み脚を妨げないようにすることが構造的によさそうです。

クランクの力学によれば、3時以降は(真下ではなく)斜め後方に力をかける必要があるはずですが、これはなかなか無理なことです。かといって真下に力をかけても推進力にならない無駄な力が発生するだけでうまくありません。とすると、踏むのは3時あたりまでにして、あとは反対側に意識を持っていくのがよいのではないかと思いあたります。踏む方は黙っていても力がかかるのですから、反対側の9時から12時に向かう引き脚に意識を切り替えると。その後そっちの脚を3時まで意識する。

そんなことをあれこれ意識しながら走っていると、確かにこれは疲れにくいと思います。「踏むのは3時まで」というのは感覚的には「え、もう終わり!?」という位置です。だいぶさぼっている感覚なんですが、実際のスピードはさほど落ちません。あくまで体感レベルの話ですが、効率はよさそうです。

まとめ

なけなしのパワーを使って走るサンデーライダーにとって、効率がよいというのは大きなことです。別に真円ギアでも大して変わりはないのかもしれませんが、楕円にしなければそもそもペダリングについて調べることもなかったでしょう。楕円ギアの実際の効果よりも、こういったもろもろの意識や考えを総じて、換装してよかったかなと思います。


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